個人で事業をやっているとすべてひとりでやらなくてはいけないことが多いです。
売上アップ、請求や入金管理、資金繰り、事務作業。。。
そしてこの記事にたどり着いた方は現時点で「資金繰り」に頭を悩ませているのではないかと思います。
もうすでに債務超過に陥ってしまったという方もいるかもしれません。
今の資金繰り問題をなんとかクリアできたとしてもまた同じことを繰り返さないために、この記事では資金ショートになってしまう原因と対策について紹介します。
▼▼この記事を書いた人▼▼
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運営者:すくらっち
【40代をスマートに】40代2児の父 | 子育て10年 | 管理職10年 | 金融×ITサービスに携わって15年。職業柄、企業の体力や財務内容を無数にチェックしてきました。経営者の資質や事業に対する考え方、熱量なども要チェック。個人事業主、新設法人にも相当数触れてきました。独立のきっかけや経緯、独立のための準備にどれだけの時間を要しているかも超重要です!
資金ショートになってしまう原因
まずは原因を洗い出していきましょう。少し耳が痛い内容もあるかもしれません(笑)
支払いと入金のバランスを把握していない
資金ショートした場合の多くは「バランス」が取れていません。
金額のバランス

毎月いくら売上があるか?毎月いくら支払いがあるか?
「大体分かるよ」って方が大半だと思います。
でも「大体」しか分かってないから資金ショートしてるんですよ。
売上や支払いは想像以上に流動的です。特に支払いの部分を皆さん甘く見過ぎだと思います。
電気・ガス・水道費のような光熱費、通信費、交通費などは特に変動が大きいですね。
スケジュールのバランス
これが資金ショートになりやすい一番の原因と言っても過言ではありません。
売上入金と支払いのスケジュールがアンバランスではないですか?
一般的に日本の商習慣では「末締め翌月末払い」といって今月売り上げたものは翌月末に支払われます。
①3月に100万円売上
②4月1日に100万円の請求書発行
③取引先から4月末に100万円入金
という流れです。
4月1日~29日まで(月末までの間)に様々な支払い期日が来たとしても、売上入金は30日まで(月末)入ってきません。
ここで瞬間的に資金ショートする確率が高くなります。
場合によっては「当てにしていた月末の入金が入ってこない!」なんてことも。。。
不測の事態への考え方が甘い
仕事がら様々な経営者とお会いすることが多いですが、不測の事態が起きたときの考え方や行動で経営センスが分かれます。
イレギュラーは常に隣り合わせ

コロナになるなんて想定してなかった。。。

まさかあの取引先からの支払いが遅れるなんて。。。
イレギュラーな事態は突然やってきます。
こういうケースで「運が悪かった」と思ってしまう経営者はあまり経営に向いていないと思います。
事業を営んでいくうえでイレギュラーは常に潜んでいるためです。
楽観的に考えすぎ

イレギュラーな事態が起きたときに「何とかなるだろう」とか「時間が解決してくれるだろう」と考えるのも危険です。
正直、自分の事業は自分に責任があるということ自体分かっていないとすら思います。
これは脱サラした経営者に非常に多く見られます。
組織に属しているとイレギュラーな事態が起きても誰かが解決してくれるし、自分個人には影響がないことが多いですからね。
開業時の準備不足・知識不足
個人事業主やフリーランスの方は開業してから
「開業前に〇〇をしておけば良かった~」というケースが多いと思います。
冒頭でご説明したとおり、フリーランスや個人事業主はオールマイティでなくてはいけません。
センスあるWEBサイトを作成できても、複雑なプログラムを組めても
営業や事務作業ができなければ事業は成り立たないのです。
特にお金回りの部分はちょっとした専門知識も必要になってきます。
ちょっとネットで起業について調べた程度ではすぐに行き詰ってしまうでしょう。
資金ショートにならないための対策
ここからはこれまでに挙げた原因についての対策を見ていきましょう。
資金ショートした場合どうなる?

資金ショートするとシンプルに事業を継続することができません。
法人化しているのであれば「倒産」。個人事業主、フリーランスでも「破産」という未来が待っています。
もちろんやり直しはいくらでも聞きますがタフな精神力と体力が必要です。
よく考えてみてください。
一度事業をたたんでまた再スタートする → 金融機関がお金を貸してくれません
一度事業をたたんで再就職する → 残念ながら履歴書ではマイナスポイントです
再スタートは非常にハードルが高いのです。
失敗しなくて済むならそれに越したことはありません。
▼合わせて読みたい
支払いと入金を細かく把握
把握したい部分は大きく2つになります。
支払いと入金の金額
支払いと入金のタイミング
項目ごとの毎月の金額推移を確認

株式会社▲▲商事の売上は347,896円、3月の電気代は3,896円というように
✅項目ごとに
✅1円単位で
把握しましょう。
もっとも重要なのは毎月の推移をみることです。
どの項目の金額が増えているのか減っているのか?
新しい項目は何が増えたのか?
チェックをクセ付けすることが重要です。
クセ付けの方法
「毎月25日は入出金の内容整理の日」のように1ヵ月に最低1日、それだけを実施する日を設定しましょう。
個人事業主・フリーランスはどうしてもマルチタスクになりがち。
マルチタスクは業務効率が下がると言われています。
さらにこういう作業は売上UPに直結しないため優先順位が低い作業です。
そうするとおのずと後回しになってしまいますよね。
「入出金の内容整理のみの日」を設けることでチェックをクセ付けすることができます。
▼ジュース代も経費で落とせる?
スケジュールは最初の設定がすべて
一般的に事業をしていくうえで入出金タイミングが有利と言われているのは
出金(支払い)は少しでも遅く
入金(売上)は少しでも早く
です。
これを実行するために様々な工夫を凝らしましょう。
とはいえ、途中から入出金のスケジュールを変更するのは至難の業。
最初の設定で有利な条件設定をすることがキモになります。
取引先への支払日設定テクニック①

出金(支払い)は少しでも遅くすることを心がけます。
テクニックとしては
「うちはすべての取引先に末締め翌々月10日(40日サイト)で統一させてもらってる」
みたいな伝え方をすると自然な形で支払いに猶予を持たせることができます。
「資金繰りのため感」より「支払日を統一すると経理作業が効率的感」を演出することがポイントです。
取引先への支払日設定テクニック②
クレジットカードでの支払いがOKなら極力クレジットカードでの支払いをおすすめします。
理由は
支払日=クレジットカード利用日となり
クレジットカード利用日からの引落しはさらに1か月くらい後になるからです。
対人での取引先だと難しいかもしれませんが、特にWEBサービス系の支払いは振込や口座振替より
クレジットカードでの設定を意識しましょう。

クレカ支払いは固定費の支払いでも優秀
上記と同曜の考え方で固定費の支払いもクレジットカードに変えられるものは変更をおすすめします。
調べてみるとクレカ払いOKな固定費はけっこう多いですよ。
意外と電気代やガス代などの光熱費もクレジットカードでOKだったりします。
プラスα、クレジットカード利用でポイントも溜まりますので利用しない手はないですね。
取引先からの入金日設定テクニック①

入金日設定はステップを踏んでいくことが重要です。
①前金から相談してみる
まずは前金でお願いしてみましょう。
「うちは皆さんに前金でお願いしているんですが。。。」とサラっと言えるかがポイントです。
②納品と同タイミング
上記①が難しかった場合②でお話してみましょう。
ステップを踏んでいるため取引先も①よりハードルが下がったという感想を持ってくれます。
③最後に掛入金の話
上記①、②で決着がつかなかった場合掛入金の話になります。
ステップを踏んできているため必要以上に長いサイトを提示する必要はありません。
取引先への支払いと同様
「うちはすべての取引先に末締め当月末払い(30日サイト)で統一させてもらってる」
と伝えましょう。
取引先からの入金日設定テクニック②
取引先が大手企業の場合、なかなかこちらの条件をのんでもらうことは困難です。
強引にこちら側の条件を提示すると、取引自体がなくなってしまうリスクがあるからです。
大手の企業からすればあなたはたくさんある取引先の1つ。
わざわざあなたの条件に合わせなくても別の取引先にお願いすれば済む話だからです。
そういった場合は「ファクタリング」を活用しましょう。
ファクタリングは手数料取られますが
相手に知られることなく
請求書を早期現金化
することが可能です。
▼こちらの記事で詳しく紹介しています。
【わかりやすく解説】ファクタリングを利用する16メリットと13デメリット
ファクタリングならブラックリストに載らない

ファクタリングは融資と異なり、信用情報機関に登録されることはありません。
さらに現在は、相手先に知られることなく利用できるサービスがほとんどです。
土日祝日でも対応してくれるファクタリング会社、信用力の高いファクタリング会社もあります。
万一に備えてすぐに利用できる準備は整えておきましょう。
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